「ハッピーエンドはお好きですか?」
君達は死んだ。それは不慮の事故だったか戦に敗れて死んだのか、理不尽な世界に圧死させられたのか、そりゃあ分かりやしない。しかし確かに死んでしまったのだ。君達は地獄に続く途方もなく、気が遠くなりそうな暗闇を歩いていることだろう。そこで喪服を着た黒い男に声をかけられる。
「理不尽ですよね。あんな死に方。」
「あんまりですよね。エンディング。」
「変えたいですよね。貴方の未来。」
「やり直しませんか、もう一度。」
「──────共に、ハッピーエンドを掴みませんか。」
黒い名刺を手に取る君は、自分の人生のエンディングを変えるため、もう一度家族に、恋人に、友人に会う為。或いは約束を果たす為。
「ようこそトゥルーエンド公式株式会社へ。」
それぞれの目的を胸に抱き、この会社に務めることとなるだろう。
「我々は、貴方を。
──────歓迎しますよ。」